妊娠中の身体の変化は、胎児の成長・発達に伴い、生理的にも、機能的にも、形態的にも著しい変化が見られます。また、心理的にも妊娠時期に応じて多様なストレスが加わり、心身ともに妊娠前とは全く異なる健康状態です。胎児の存在は母体にとって大きな負荷であり、健康状態に影響を与えています。一方、胎児の健康・発育状況もまた母体の健康状態に大きく左右されます。
《妊婦健診の目的》
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妊娠の診断と妊娠週数の確定
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母体の生理的・機能的・形態的変化を観察し、妊娠の時期に相応する変化を遂げているかを診断
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合併症や産科異常の有無を診断
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胎児の発育と健康状態の把握
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ハイリスク因子の発見
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妊婦自身のセルフケア能力の評価
《時期・回数》
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妊娠初期から妊娠23週(6か月末) :4週間に1回
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妊娠24週から妊娠35週(9か月末):2週間に1回
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妊娠36週(10か月)から分娩まで :1週間に1回
もともと健康な人であっても、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病など妊娠特有の病気が発症することがありますし、流産や早産などが急に起こることもあります。病気が進行してからでは妊娠継続が難しくなることもありますので、安全なお産と赤ちゃんの健康のためには、早期に発見して適切な治療や保健指導を受けることが重要です。特に35歳以上の高齢妊婦さんは、胎盤の異常や高血圧や糖尿病などの病気を起こしやすくなると言われています。体力や健康に自信があったとしても過信せず、定期的な健診を受けましょう。