【骨粗鬆症ってどんな病気?】
骨粗鬆症とは、骨の密度が低下し骨がスカスカになって弱くなる病気で、ちょっとしたことで骨折しやすくなります。
骨のカルシウム量は20歳代をピークに、40歳代半ばから減少し始めます。
ピーク時の値の70%になってしまうと「骨粗鬆症」と診断されます。
女性はもともと骨のカルシウム量が少ないことに加え、閉経後の女性ホルモンの減少により骨のカルシウム量が減るため、骨粗鬆症になりやすいことがわかっています。
(男性でも80歳以上になると5割は骨粗鬆症になるといわれています。)
【女性ホルモンが減ると骨が弱くなるのはなぜ?】
皮膚や髪の毛と同じように、骨も新陳代謝を繰り返し、常に新しく生まれ変わっています。
健康な骨では、古い骨を壊す作業(骨破壊)と、新しい骨を作る作業(骨形成)がバランスよく行われています。
女性では「エストロゲン」という女性ホルモンが骨形成を助ける働きをしているのですが、閉経するとその女性ホルモンの分泌量が著しく減少するため、骨を作る力より壊す力のほうが大きくなり、骨量が少なくなってしまうのです。
【どんな人が骨粗鬆症になりやすい?】
□運動や体を動かすことが少ない人 □塩分をたくさんとる人
□カルシウムをあまりとらない人 □肉親に骨粗鬆症患者さんのいる人
□日光にあまり当たらない人 □月経が不順だったり、閉経を迎えた人
□やせていて華奢な人 □糖尿病があったり、胃腸の手術を受けた人
□タバコをよく吸う人 □胃腸が弱く、下痢をしやすい人
□お酒を多量に飲む人
【産後骨粗鬆症について】
妊娠中に分泌量が増え続け、出産時にピークを迎えた女性ホルモンは、産後急激に減少します。
また、母乳育児をする方は母乳を通して赤ちゃんにカルシウムを与えるようになります。
このため骨密度が一時的に減少しますが、授乳期を終え、しばらくすると元に戻るといわれています。
しかし、過去に無理なダイエットをしたり、偏った食生活を送っていると、もともと骨がもろくなっている状態に追い打ちをかけることとなり、産後骨粗鬆症を招く恐れがあります。
最近では高齢者だけでなく、若年者にも骨密度の低下しているケースがあります。
また、妊娠を考えている女性も、妊娠する前に一度骨密度検査を受け、今のご自分の骨の状態を知っていただくことをお勧めします。