閉経後に3年間で5%程度減量すると乳がんの発症リスクが12%低下する可能性があるという新しい研究結果が、米サンアントニオ乳がんシンポジウムで発表されました。
肥満が乳がんのリスク因子である可能性を示す研究結果はこれまで報告されていますが、減量がリスク低減につながるか否かは明らかにされていませんでした。研究を主導した米シティ・オブ・ホープ病院のRowan Chlebowski氏らは今回、米国立衛生研究所が行ったWomen’s Health Initiative研究に参加した閉経後女性6万1,335人を対象に、研究開始時と3年後に体重を測定し、前向きに追跡しました。
平均で11.4年の追跡期間中に3,061人が浸潤性乳がんを発症した。解析の結果、追跡期間中の体重に変化がみられなかった女性(約4万1,100人)と比べて、5%以上減量した女性(約8,100人)では乳がんの発症リスクが12%低下しました。また、15%以上減量した女性では乳がんリスクは37%低下することも分かりました。
Rowan Chlebowski氏は
「適正体重にならなくても、わずかな減量で乳がんリスクの低減効果が得られるとする今回の結果は、多くの女性にとって励みになるだろう。5%程度の減量であれば取り組みやすく、体重も維持しやすい」
と述べている記事が医療ニュース、ケアネットで紹介されました。
週に2時間の有酸素運動や筋肉トレーニングを行うことが推奨されています。適度な運動を心がけて乳がんを予防し、乳がん検診を受けて早期発見に努めましょう。