妊娠中に生ものを摂取し、食中毒になるとお母さんは下痢や嘔吐のため脱水となり、重篤な場合、流産や早産になってしまうことがあります。また、赤ちゃんに感染する種類の食中毒もあるため、妊娠中に生ものを食べることは控えていただくことが望ましいです。
<寿司や刺身>
腸炎ビブリオ、サルモネラ、病原性大腸菌、ノロウイルスの感染
<生や加熱不十分な肉>
腸管出血性大腸炎(O157、O111、O26など)、カンピロバクター、サルモネラ、リステリア、E型肝炎ウイルス、トキソプラズマなどの感染
<加熱不十分な牡蠣>
ノロウイルス感染
トキソプラズマ症
トキソプラズマは、ネコ科動物との接触や生肉などから感染します。妊娠初期に感染すると症状が重症化することが多く(流死産、脳内石灰化、水痘症、肝肥大、腹水など)より注意が必要です。
生肉の摂取は控え、肉を食べる際はしっかり加熱して食べるようにしましょう。
リステリア症
妊娠中は免疫力などが低下しやすく、健康な妊娠していない人に比べると20倍近く感染しやすくなるといわれています。少量のリステリアでも発症し、敗血症や髄膜炎など重篤な状態になることがあります。胎盤を通して赤ちゃんも感染してしまう恐れもあるため予防する必要があります。
加熱殺菌されていないナチュラルチーズや、肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモンは注意し、しっかり加熱するか妊娠中は避けるようにしていきましょう。
参考:周産期医学Vol.42増刊号