患者様の声patients of voice

卒業メモリー大賞

  • 三宅医院 スタッフより

    (本文)
    夫と私は38歳と36歳の時、結婚しました。子どもは自然に任せていて、私が37歳の時に自然妊娠することができました。・・・が7週にて稽留流産という結果になりました。それを機に年齢のことを考えて不妊外来へ通うことにしました。他院へ1年と少し通いましたが(タイミング法数回、AIHI4回)結果は出ず・・・。家族からのすすめがあり、こちらでお世話になると決めました。

    これまでの治療経過と年齢のことから、先生からはすぐに体外受精をすすめられました。私達の不妊の原因は特にこれと指摘されず、いわゆる原因不明の状態でした。一度は自然妊娠したこともあり、余計に体外受精に対して漠然とした怖さがありました。しかし先生から詳しくお話を伺うと思った以上の年齢のリスク、特に卵子の老化について言われ、体外受精は、まずは「自分の卵子の状態を知ってみること」でもあると言われ、目からウロコでした。私の卵子の様子が知りたい!と思い、すぐに決心しました。怖いと思っていた体外受精への一歩を優しく心強く後押しして下さったことに、今はとても感謝しています。

    私の治療はロング法でした。採卵周期前の点鼻から始まり、排卵前の10日間連続の注射・・・初めてのことだらけでしたが、看護師さんが本当に明るく元気づけて下さり、無事乗り切れとても感謝しています。その後、採卵(体外と顕微を半分づつ)、移植とスムーズに終わり、運良く1回で陽性判定を頂くことができました。培養士の先生方にも本当に感謝しています。

    また流産しないかという心配がずっとあり、なかなかこの卒業メモリーが書けませんでした。今やっと安定期に入り、少し安心できましたので、やっと書けることに、信じられない気持ちと喜びを感じています。なかなか体外受精に踏み切れない方がいらっしゃったら、是非先生や看護師さんとよく話をして納得して、素敵な一歩を踏み出して欲しいなと心から思っています。
  • 2015.03.27

    年齢:43歳11ヶ月 妊活期間:1年

    三宅医院 スタッフより

    (本文)
    不妊外来のソファーに座り、何度も卒業メモリーのファイルを手に取り、「自分と同じような年齢の方がおられるのだろうか」と皆さんが書かれた卒業メモリーを読ませていただき、励まされた日々を思い出します。私の経験も誰かのお役に立てれば・・・そんな思いでこの卒業メモリーを書かせていただきます。

    私は41才の超晩婚。自分の年齢を考えると、自分の人生に子どもは無いものと思っていましたが、心の奥底では「できることなら夫を“お父さん”にしてあげたい」という気持ちも感じていました。結婚してすぐ、「41才ならまだ何とかなるかも」と別のクリニックで検査開始。夫は、まだ自然妊娠に希望を持っていたのか、生殖医療に対する2人の思いがくい違い、検査もほぼ終わりに近づいたところで一旦ストップしてしまいました。

    「生殖医療を受けるかどうかは、夫にまかせよう」そう決心して過ごした41~42才の約1年。大切な1年間を自分の身体のタイムリミットを感じる焦る気持ちと、あきらめの気持ちで過ごしていました。43才の誕生日を目前にして、夫から突然の生殖医療の提案がありました。それなら「一刻も早く!!」という気持ちで、前クリニックで受けていた検査結果を手に、三宅医院不妊外来受診。

    そこからは、もう転がるようにいろいろな事が進んで行きました。私も夫も「もう顕微授精以外に方法はない」と決めていたので、あとは先生の指示をきいて進めていくだけでした。
    1回目の採卵。初めての胚移植。ドキドキしながら病室へ向かうエレベーターの中で、「お腹に戻してあげられるのは、とってもうれしいことなんですよ。」と声をかけていただきました。この時には、判定日を待つことなく、いつもと同じように生理が来てしまいました。

    そして2回目の胚移植。1回目で凍結保存していた卵をお腹に戻しました。2回目の時は、判定日直前に少量の出血があり、「もしかしてこれは着床出血というものか!?」と少し期待をして判定日を迎えたのでした。しかし、結果は陰性。「あと2・3日すると生理が来るでしょう」とのことでした。

    2回目の採卵にチャレンジ。胚移植の日を待ちました。結果、受精卵の発育が止まってしまっていて、お腹に戻すことはできませんでした。「お腹に戻せることはうれしいこと。」その言葉の意味を実感しました。

    治療開始前の説明会を受けて、治療を受けるのは私は“2回”、夫は“3回”と何となく思っていた2人。改めて話し合い、「もう1回だけがんばってみよう」と最後の“3回目”にチャレンジ。3回目の採卵。成熟卵5個のうち、受精できたのは2個・・・。1回目、2回目の経験から絶望的な気持ちになりました。ありがたいことに2個のうち1個をお腹に戻すことができました。おまけにその1個について培養士の先生から「とっても元気のいい子です」とのお言葉。最後になるかもしれない我が子をほめていただき、心からうれしく思いました。

    それから判定日の日までは、とにかくストレスをためないよう、普段通りに過ごすように心がけました。そして迎えた判定日。やはり診察室に入る前は大緊張。ダメだった時を想定し、心の準備もしていました。
    「妊娠の反応が出ました。おめでとうございます」
    ・・・待ち望んだその瞬間は、「驚いた・・・驚いた・・・」ととにかくびっくりしているだけの私でした。

    今回の治療は、自分の人生にとってかけがえのない貴重な体験となりました。初めてDVDで私と夫との受精卵を見た時の感動。お腹に戻した時の思い。大切な大切な命を感じることができました。
    いつも温かく迎え接してくださった小田先生、清川先生、看護師の皆様、スタッフの皆様に心から感謝しています。注射の時にかけてくださる優しい一言。採卵室で緊張をやわらげようとかけてくださった言葉。いつも寄りそってくださり、やさしい笑顔で迎えてくださり、私は心穏やかに通院することができました。お一人お一人に支えていただき、卒業を迎えられたことを心からありがたく、幸せに思っています。本当にありがとうございました。
    どんなにたくさんの人たちに支えられて誕生することができた大切な命なのか・・・をしっかり伝えることのできる母親になりたいと思っています。感謝。